願いを込めて

 神社の社殿の中でお参りをされている方を見たことをありませんか。

 社殿に上がり、お祓いをうけ、あらたまってお参りすることを昇殿参拝(正式参拝)といい、さらに神職を通じて神さまに願い事を届けていただく儀式をご祈願(祈祷)といいます。

 ご祈願や昇殿参拝は、申込さえすればどなたでも社殿に上がってお参りができます。せっかくの神社参拝の機会ですから、時間などに余裕があれば社殿に上がってお参りをしてはいかがでしょうか。

申込・受付

 ご祈願や昇殿参拝は、まず個人や家族、友達、または会社などさまざまな単位で、社務所や授与所、祈祷殿などで申込受付をします。受付では、所定の申込用紙などがあれば必要事項を記入します。
 すぐに受付が出来る神社もありますが、神社によっては日時の調整が必要なこともありますので、ご祈願の内容/参拝する日時/参拝人数/その他の疑問点などを、まず神社に連絡をしてご相談するとよいでしょう。

お供え(初穂料/はつほりょう)

 ご祈願は、成就したい願いを神職から神さまに届けていただく儀式です。その想いの表れとして初穂料を納めます。納める金額の目安は、神社に伺うのもよいでしょう。昇殿参拝についても、同様にお伺いするのがよいでしょう。

包みの書き方

 お供え(初穂料)は祝儀袋に入れ、袱紗(ふくさ)などを使って受付で収めるのが丁寧です。
 包みには、「初穂料」や「玉串料(たまぐしりょう)」などの表書きを、結び切りの祝儀袋に書くのが一般的です。お礼参りの際には「御礼」など、状況によってさまざまな表書きがありますが、「玉串料」という表書きは、神社関係のさまざまな場面で使える表書きです。
 神道式による葬祭関係でも使え、迷った際は「玉串料」とすれば、失礼なく納められるので覚えておくと便利です。

奉納について

 神社にお参りをする際、初穂料やお賽銭とは別に、感謝や真心を添えて神社にお供えを納めることを奉納や奉献といいます。奉納の品にはさまざまなものがありますが、ご祈願などの際には、お米やお酒、季節の野菜や果物など神饌(しんせん)にあたるお供えを奉納することもあります。
 奉納をする際は、お供え物にのし紙を付け、「奉納」や「奉献」という表書きと氏名や会社名を記して受付の際に納めます。特にお酒の場合は「献酒」という表書きを使うこともあります。

ご祈願の流れ

 ここでは、ご祈願の次第について一つ例を挙げて説明します。なお、次第ごとに神職より作法の説明がある場合などはその説明に従ってください。

手水(てみず)
社殿に上がるにあたって手水をして身と心を清めます。
修祓(しゅばつ)
ご祈願に先立ち、お祓いを受けます。
まず、神職が神さまにお祓いのことばを申し上げます。これを祓詞(はらえことば)といいます。
お祓いのことばの間は頭を下げ、終わったら元に戻します。(神職の作法では約60度腰を曲げて頭を下げます。以下これにならいます。ただしお体の不自由な方は軽く頭をお下げください)
その後、お祓いを受けますが、その間は再度頭を下げ、終わったら元に戻します。(約45度腰を曲げて頭を下げます)
斎主一拝(さいしゅいっぱい)
お祓いが終わると、いよいよご祈願が始まります。
神職が「これからお祭りを始めます」という意味を込め、神前で深々とお辞儀を一度します。このお辞儀に合わせて一緒にお辞儀をします。(約90度腰を曲げて頭を下げます。この作法はご祈願の際には行わない場合もあります)
献饌(けんせん)
納めた玉串料や神饌などが、神さまへお供えされます。既に供え終わってる場合や違う形でお供えされるなど、省略する場合もあります。
また、お参りの後にこれをお下げすることを撤饌(てつせん)といいます。
祝詞奏上(のりとそうじょう)
ご祈願で最も重要な次第の一つです。
ご祈願の場合は、神職が参拝者の願いを神さまに届ける祝詞を奏上します。
祝詞奏上の間は頭を下げ、祝詞が終わったら体を元に戻します。(約60度腰を曲げて頭を下げます)
玉串拝礼(たまぐしはいれい)
榊(さかき)の枝に願いを込めて神前に捧げて、お参りをします。これを玉串拝礼といいます。
玉串は、榊が代表的ですが、地域によってさまざまで、いずれも瑞々(みずみず)しく生命力の強い枝葉が使用されます。
斎主一拝(さいしゅいっぱい)
ご祈願を終えるにあたり、神職が再度神前に進み出て、「お祭りを終わります」と言う意味を込めて、深々とお辞儀をします。
このお辞儀に合わせて一緒にお辞儀をします。この作法は、始めの斎主一拝と対(つい)になっています。
直会(なおらい)
神さまにお供えした神饌を神さまと一緒にいただきます。
ご祈願などの際には、略式としてお神酒(みき)をいただいて直会としたり、お供物をいただくことがあります。

 神社では、手水を行い、さらに修祓を受けるなど、何度もお祓いを行います。これは、神さまに対するにあたり、祓いに祓いを重ねて一層清さを表すという心とかたちの表れです。

玉串拝礼の作法

1
神職から玉串を差し出されたら、丁寧に受けとります。
2
イラスト
玉串は差し出された神職の手の上側を持ちます。右手は枝の上からとり、左手は葉の裏側からとり、胸の高さで左高に捧げ持ちます。捧げ持った状態のまま、御神前に進み姿勢をただします。
3
御神前に進みましたら、ご挨拶の意味を込めて軽く頭を下げます。(約15度腰を曲げて頭を下げます)。
次に三歩進んで足を揃えて止まります。改めて、「これからお参りをさせていただきます」という意味を込めて、やや深く頭を下げます。(約45度腰を曲げて頭を下げます)
神前正面もしくは左側で作法をする際は、左足から進み右足から下がります。また神前の右側に位置した際は右足から進み左足から下がります。
4
イラスト
いよいよ玉串の作法です。まず玉串を葉の表面が自分の方を向くように立てます。次に、左手を下げて右手に添えます。その後、祈りを込めます。
5
イラスト
玉串を左手に持ちかえて右手を離し、時計回りに回しながら葉先を胸の方に向け、右手を玉串の下に回して葉の裏側から玉串の中ほどをとり、左手を離して右手に添えます。
6
一歩足を進めて玉串を台の上に供え、一歩足を戻して姿勢をただします。
7
そして、二拝二拍手一拝の作法でお参りをします。
8
お参りを終えると、やや深く頭を下げ、三歩下がって足を揃え、軽く頭を下げます。

これが玉串拝礼の作法です。以上を持って、元の位置に戻ります。